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  • 政府が新国家戦略 「新オレンジプラン」発表

    ~認知症に優しい地域づくり 「適切な医療・介護」など7つの柱

     政府は1月27日、認知症の人を支えていく対策をまとめた省庁横断の新たな国家戦略「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を正式に決定した。2012年の時点で約462万人(約7人に1人)だった認知症の高齢者は、25年までに約700万人(約5人に1人)へと増加する推計を受けて、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」ことを基本的考え方として、これまでの計画をより重層的な内容にボリュームアップしている。

     「認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて」と策定された戦略は、以下の7つの柱からなる。

    ①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進

    ▽認知症への社会の理解を深めるための全国的なキャンペーンを展開

    ▽認知症サポーターの養成と活動の支援。17年度末目標を600万人から800万人に引き上げ(14年9月末実績545万人)。

    ▽学校教育等における認知症の人を含む高齢者への理解の推進

    ②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供

    ▽本人主体の医療・介護等の徹底

    ▽発症予防の推進

    ▽早期診断・早期対応のための体制整備
      かかりつけ医認知症対応力向上研修受講者数(累計)目標を17年度末5万人から6万人に引き上げ(13年度末実績3万8,053人)。
      認知症サポート医養成研修受講者数(累計)目標を17年度末4,000人から5,000人に引き上げ。
      歯科医師・薬剤師の認知症対応力向上研修を新設。
      認知症疾患医療センターを17年度末約500カ所整備(14年度見込み約300カ所)。
      認知症初期集中支援チームの設置を18年度からすべての市町村で実施(14年度見込み41市町村)。

    ▽行動・心理症状(BPSD)や身体合併症等への適切な対応

    ▽認知症の人の生活を支える介護の提供
      認知症介護実践者研修受講者数(累計)を17年度末24万人(13年度末実績17.9万人)。
      認知症実践リーダー研修受講者数(累計)を17年度末4万人(13年度末実績2.9万人)。
      認知症介護指導者養成研修受講者数(累計)を17年度末2,200人(13年度末実績1,814人)。
      新任介護職員向けの認知症介護基礎研修(仮称)の実施

    ▽人生の最終段階を支える医療・介護等の連携

    ▽医療・介護等の有機的な連携の推進
      認知症ケアパスの積極的活用。
      医療・介護関係者等の間の情報共有の推進。
      認知症地域支援推進員(地域でコーディネート役を務め、切れ目のない地域包括ケアを支える)を18年度から全市町村で配置(14年度見込み217市町村)。
      地域包括支援センターと認知症疾患医療センターとの連携推進。

    ③若年性認知症施策の強化

     若年性認知症の人や家族に支援のハンドブック配布。
      都道府県の相談窓口に支援関係者のネットワークの調整役配置。
      若年性認知症の人の居場所づくり、就労・社会参加等を支援。

    ④認知症の人の介護者への支援

    ▽認知症の人の介護者の負担軽減
      認知症初期集中支援チーム等による早期診断・早期対応。
      認知症カフェ等の設置(18年度から全市町村に配置の認知症地域支援推進員等の企画により実施)。

    ▽介護者たる家族等への支援

    ▽介護者の負担軽減や仕事と介護の両立
      介護ロボット、歩行支援機器等の開発支援
      仕事と介護が両立できる職場環境の整備

    ⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

    ▽生活の支援(ソフト面)
      家事支援、宅配の提供等の支援。高齢者サロン。介護食品を手軽に活用できる環境整備。

    ▽生活しやすい環境(ハード面)の整備
      多様な高齢者向け住まいの確保。バリアフリー化の推進。公共交通の充実。

    ▽就労・社会参加支援
      就労、地域活動、ボランティア活動等の社会参加の促進。

    ▽独居高齢者の安全確認。高齢歩行者や高齢運転者の交通安全の確保。詐欺などの消費者被害の防止。成年後見制度や法テラスの活用促進。高齢者虐待の防止。

    ⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の促進

    ⑦認知症の人やその家族の視点の重視

    ▽初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援
      認知症の人が必要と感じていることの実態調査。
      認知症の人の生きがいづくり支援の取り組みを推進。

    ▽認知症施策の企画・立案や評価への認知症の人や家族の参画
      認知症高齢者等にやさしい地域の実現には、国を挙げた取り組みが必要。認知症高齢者等にやさしい地域は、決して認知症の人だけにやさしい地域ではなく、コミュニティーのつながりこそがその基盤であり、認知症高齢者等にやさしい地域づくりを通じ地域を再生するという視点が重要である、と強調している。

     政府は、15年度当初予算案で、認知症施策に14年度比で66億円増となる約161億円を確保して、4月から段階的に実行していく。